冷凍ホタテは解凍せずに凍ったままで調理するよりも解凍してから調理した方が美味しくいただくことができますので、基本的には解凍してから使うことをおすすめします。
しかし解凍してから調理した方がいいのは「焼く・炒める時」におすすめの方法で、「煮る時・汁物を作る時」はむしろ冷凍状態の方が煮崩れを防げるので、解凍しなくても大丈夫ですよ。
焼いたり炒めたりするときは事前に解凍しておかないと生焼けになったり、うまみや水分が流れ出て味が落ちてしまうのです…。
そこでこの記事では
- 冷凍ホタテを解凍した方が良い場合と解凍せずに使っていい場合の違い
- すぐに冷凍ホタテを使いたいけど解凍するのを忘れていた時の時短でできる解凍方法
- 時間がある時におすすめの味を損なわない冷凍ホタテの解凍方法
などを詳しくご紹介します。
冷凍ホタテを解凍するのが面倒、または解凍するのを忘れたけどすぐに調理しなくてはならない。という方はぜひ参考にしてみてください。
冷凍ホタテは解凍しないで凍ったまま調理してもいい?
冷凍ホタテは低温でじっくり解凍してからの調理がおすすめ
冷凍ホタテは解凍しなくても調理自体は可能ですが、味と食感を損なわないためにもできれば解凍して調理するのがおすすめです。
冷凍ホタテに限ったことではありませんが魚介類は解凍してから調理した方が美味しいだけでなく、生臭さを軽減させることもできるのですよ^^
冷凍ホタテを解凍する時のポイントは「時間をかけて少しずつ解凍していくこと」です。
これは急速に解凍してしまうと温度変化によりホタテの細胞が影響を受け、うまみ成分が流れ出てしまうためです。
なので冷凍ホタテを調理する際には、基本的には時間をかけて解凍してからが良いですよ。
ただ調理方法によってはむしろ解凍しない方が良い場合もありますので、さらに詳しく見ていきましょう。
冷凍ホタテを焼く・炒める場合
冷凍ホタテをフライパンやグリルなどで焼く場合、炒める場合は解凍してからの調理をおすすめします。
ほたてが凍った状態で加熱してしまうと
- 火がほたて全体に等しく通らなくなるので、中心部が生焼けになる
- 加熱時に解凍されるので水分が出てほたてが水っぽくなる
- うまみ成分や栄養素、水分(ドリップ)が流れ出てしまう
などのデメリットがあります。
ホタテは冷凍部分と熱が加わった部分に急激な温度差が生じると細胞膜が壊れてしまい、水分や栄養素が多く流れ出てしまいます。
この流れ出てしまう水分をドリップといいますが、ドリップはうまみ成分なので流れ出てしまうと味が落ちてしまうのですね。
また解凍せずに焼いたり炒めたりする場合は、火をしっかり全体に通すために加熱を長くしなければなりませんよね。
しかしホタテは加熱時間が長くなると、身が固くなってしまうのです。
最悪解凍しなくても調理することは可能ですが、火加減の調整が難しくなります。
なのでこれらを防ぐために、時間をかけて解凍していくのが好ましいのですね^^
冷凍ホタテを煮る・汁物の場合
次に冷凍ホタテを煮込み料理にしたり汁物にする場合ですが、煮る際には解凍せずに凍った状態で調理しても大丈夫です。
煮込み料理は焼くよりも全体に火を通しやすいので、凍った状態でも生焼けなどの心配がありません。
また煮る場合にはあえて解凍しないことで、煮崩れを防げるというメリットがあるのです。
煮込む以外にも、オーブンなどでじっくり火を通す料理の場合には解凍せずに調理をしても大丈夫でしょう。
ただ煮込み料理や汁物の場合、味付けによっては解凍時に出る水分で多少薄味になることがあるかもしれません。
冷凍ホタテの解凍方法
先ほど書いた通り「焼く」「炒める」、また「生で食べる」などの場合はまず冷凍ホタテの解凍をする必要がありますね。
ですが、「解凍するのを忘れていた!」という場合は今すぐに解凍しなければなりませんよね。
そこでまずは、なるべく時間をかけずに冷凍ホタテを解凍する方法をご紹介しますね。
冷凍ホタテを短時間で解凍する方法
流水で解凍
一番簡単に冷凍ホタテの解凍時間を短縮できる方法は「流水での解凍」です。
時間をかけずに解凍するのでやや味は落ちますが、解凍を忘れたときには便利な方法となります。
解凍のやり方
1.冷凍ホタテをポリ袋やジップロックなどの密閉袋に直に入れ、中に水が入らないように口をしっかりと閉じます。
※口をしっかり閉じておかないと、水が入りホタテが水っぽくなってしまうので注意です!
2.ボールに水を張り、ホタテを入れた袋をそのまま沈めます。
そのホタテの入った袋に水道水をかけ流しましょう。
水はザーッと流さなくても、ちょろちょろ程度で大丈夫ですよ。
ぬるい水ではなくなるべく冷たい水の方が、ホタテが傷むのを防ぐことができます。
夏場は水温が高くなるので注意してくださいね。
大体10~30分ほどで解凍できると思いますので、10分程度経ったところで一度解凍具合を確認してみましょう。
解凍が足りない場合は、少し時間を延長して様子を見てくださいね。
3.解凍後は袋からホタテを取り出し、キッチンペーパーで水気を取ってから調理してください。
アルミバットを使って解凍
流水以外にも、アルミバットを使うことで解凍時間を短縮することができます。
こちらの解凍方法もドリップが出やすく少々味は損なわれますが、放置しておくだけの自然解凍なのでとても楽ですよ。
解凍のやり方
1.冷凍ホタテを重ならないようにアルミバットに並べる
2.常温で放置する
こちらも解凍時間は10~30分程度。
10分経ったところで一度解凍具合を確かめ、足りない場合には時間を延長してみてください。
3.解凍が終わったら、ホタテをキッチンペーパーで軽く抑え水気を取りましょう。
アルミバットは熱伝導が良いので、これを利用して室温をほたて全体に早く伝えることで解凍時間を短縮することができます。
アルミバットがなくてもアルミ製なら同じ効果を得られますので、鍋などでも大丈夫ですよ。
冷凍ホタテのおすすめの解凍方法
冷凍ホタテを解凍し美味しくいただくためにはある程度の時間をかけて解凍していくのが好ましいので、調理までに時間がある場合は
- 氷と塩を使った解凍
- 冷蔵庫での解凍
のどちらかの方法がおすすめです。
それぞれ詳しくご紹介しますね。
氷と塩で解凍
冷凍ホタテを解凍する時、一番おすすめなのは「氷」と「塩」を使った解凍方法です。
・ボール
・氷(ボールに入れてホタテが隠れるくらいの量があればOKです)
・塩(小さじ1程度 ※氷の量の2~3%くらいが必要量になりますので、氷が多い場合は塩も調整してくださいね)
・ラップ
・キッチンペーパー
解凍のやり方
1.ボールに氷を入れ、その後塩を入れます。
全体に塩が行き渡るように少しかき混ぜると良いですね。
2.ホタテを袋から出して氷の中に直に入れる
氷の上に乗せるだけだとしっかりと解凍ができないので、氷の間にホタテをしっかりと沈めてくださいね。
3.ボールにラップをして、常温で2~5時間ほど放置します。
ホタテの量や大きさによって解凍時間は前後しますので、2~3時間経過したところで一度解凍具合を確かめてみましょう。
まだ解凍しきれていない場合は、30分おきに解凍具合をチェックしてみてくださいね。
ホタテを軽くつまんでみて、全体的に固い感触がなければ全解凍できています。
生で食べるのではなく、火を通す予定なら少し固さの残る半解凍くらいでも大丈夫ですよ。
4.全解凍、または半解凍の状態になったらボールからホタテを取り出し、キッチンペーパーで水気を取りましょう。
氷と塩の中にホタテを入れ解凍するこの方法は、
- 時間をかけて解凍できるのでドリップが出にくく、解凍後も美味しさを保てる
- 塩を入れることでホタテの臭みも取れる
というメリットがあります。
なぜ氷に塩を入れるのかというと、水は0℃で凍ってしまいますよね。
しかし塩水は-20℃以下にならないと凍らないという性質があります。
これを利用すると、冷蔵庫よりも低い温度の環境をボールの中に作り出すことができるのですね。
冷蔵庫よりも温度が低いということは冷凍状態との温度差が少なく、じっくりと解凍することができます。
温度差を減らし、じっくり解凍することでホタテの細胞を壊すことなく解凍できますので、ドリップもほとんど出ません。
そのため解凍後も美味しくいただくことができるのですね^^
ホタテを生で食べる場合でも塩を入れることで臭みを取ってくれますし、塩の味はほたてにはつかないというのもこの解凍方法の良いところです。
冷蔵庫で解凍
冷凍ホタテを解凍して一番味や食感を保てるのは氷と塩での解凍ですが、氷と塩を用意するのが面倒だという場合は冷蔵庫での解凍でも大丈夫です。
解凍のやり方
1.トレイやお皿などに冷凍ホタテを重ならないように並べる
(生で食べるなど臭みを取りたい場合は、ここで料理酒か塩を軽くまぶしておきましょう)
2.ラップをして冷蔵庫へ入れ、半日ほど放置しておきます。
半日ほど置いておくと、全解凍されていると思います。
半解凍で良い場合は、3時間程度で一度解凍具合を確かめてみてくださいね。
3.解凍されたらキッチンペーパーでホタテの水気を取りましょう。
冷凍ホタテを焼いたり炒めたり、火を通す予定でしたら半解凍くらいでも大丈夫なので冷蔵庫解凍でもそんなに時間がかかりません。
全く解凍せずに調理するのと違って半解凍なら火は通りますし、うまみや水分も出にくくなりますよ。
調理までに時間があれば冷蔵庫へ入れて放置しておくだけでいいので、一番手軽な解凍方法ですね。
冷凍ホタテのNGな解凍方法
冷凍ホタテを解凍する際には
- 電子レンジでの解凍
- 常温での自然解凍
の2つはおすすめできない解凍方法となります。
先ほど書いた通りホタテは冷凍状態との温度差をなるべく少なくして、時間をかけて解凍するのが好ましいです。
そのため氷と塩、または冷蔵庫で解凍するとホタテの細胞への影響が少なくドリップを出さずに解凍できますので、美味しさも損なうことなく解凍できるのですね。
しかし電子レンジや常温での解凍は冷凍庫との温度差が大きいので、ドリップが出やすく味が損なわれます。
また電子レンジでの解凍では
- 解凍がムラになりやすい
- 温度差でホタテの細胞が影響を受け、水分を取り込めなくなることで乾燥する(食感がパサパサに)
常温解凍では
- 室温によっては細菌が繁殖する原因になる(衛生面での心配や生臭くなる恐れも)
などの可能性もあります。
なのでなるべくこの2つの解凍方法は避けた方が良いでしょう。
冷凍ホタテを解凍した後は洗う?
冷凍ホタテを解凍後は洗わなくても大丈夫です。
解凍後にホタテについた水気をキッチンペーパーでふき取ったらそのまま調理できますよ。
もし気になる場合は軽く水で流して、キッチンペーパーでホタテを抑え水気を取ると良いでしょう。
冷凍ホタテを解凍したら生臭い場合の対処
冷凍ホタテを解凍したら生臭かった時の対処法も合わせてご紹介しますね。
塩水に漬ける
冷凍ホタテは塩につけることで臭みを取り除くことができます。
先ほどおすすめの解凍方法として書いた氷と塩で解凍する方法なら、解凍と臭み取りが一度にできますよ。
しかし冷蔵庫での解凍や流水解凍などの場合には、解凍後にホタテを塩水にさらしてみましょう。
塩水の作り方は500mlの水に対して、塩大さじ1程度です。
最後に塩水からホタテを取り出し、キッチンペーパーで水気を取りましょう。
お酒に漬ける
料理酒などアルコールで臭みを取るという方法もあります。
やり方はホタテにお酒をふりかけ、軽く馴染ませます。
その後流水をかけ、キッチンペーパーで水気を取ってみてくださいね。
湯引きする
お湯に通すことで魚介類の臭みを取る方法もあります。
まず鍋にお湯を沸かし、その中にホタテを入れましょう。
1分ほど待ち、ホタテの表面が白くなったら取り出し、キッチンペーパーで水気を取りましょう。
熱湯にホタテを通すことで、殺菌効果により臭みを取ることができますよ。
冷凍ホタテは解凍後に再冷凍してもいい?
もし冷凍ホタテを解凍したけど、食べきれないから再冷凍したい…という場合、再冷凍してはいけないということはありません。
しかし魚介類は水分が多いので、一度解凍したときに水分が出てしまっているので確実に味は損なわれます。
またたとえボイルしてあるホタテでも、鮮度などの面も少し心配はありますね。
もし再冷凍する場合は、2回目の解凍時には安全に食べる為にも必ず火を通して食べるようにしてくださいね。
冷凍ホタテの冷凍状態と解凍後の保存期限
冷凍ホタテの保存期限は
- 冷凍状態で約1ヶ月
- 解凍後は冷蔵保存で1~2日
となっています。
解凍後はなるべくその日のうちに食べきるか、残ってしまった場合は冷蔵庫に入れ2日以内には食べきりましょう^^
再冷凍する場合、そこからさらに1ヶ月持つというわけではありません。
再冷凍は鮮度や味が落ちてしまうので自己責任で、なるべく早めに食べきる方が良いでしょう。
貝類はもし腐ってしまった場合、すぐに臭いでわかります。
少しでも異臭がしたら、食べずに破棄してくださいね。
冷凍ホタテは解凍しないで使えるのか?まとめ
冷凍ホタテは解凍しないで凍ったままで調理してもいいのかというと、基本的には解凍してから調理する方がうまみ成分や水分が流れ出ないので美味しくいただけます。
しかし「煮込み料理」や「汁物」を作る際には解凍しない状態でも火を通すことはできますし、煮崩れを防ぐこともできるので解凍しないで調理しても大丈夫ですよ。
もし「すぐに使いたいけど冷凍ホタテの解凍を忘れてしまった…」という場合は、
- 流水に当て解凍する
- アルミバットを使って解凍する
のどちらかの方法で10~30分ほどですぐに解凍することができますので、試してみてくださいね^^
調理までに時間があれば
- 氷と塩に沈めて解凍
- 冷蔵庫で解凍
のどちらかでじっくりと解凍すると、ホタテの味をより損なわずにいただくことができますよ。
コメント