冷凍パイシートは解凍せずにそのまま焼くのはおすすめしません。
しかし全解凍する必要はなく、「半解凍」で作業するのが良いですよ^^
パイシートはもともと溶けやすいので、半解凍ならそんなに時間もかかりませんから少し解凍してから使ってみてくださいね。
しかしこの「溶けやすい」というのが意外と厄介で、工夫しながら作業しないと焼いたときに失敗してしまうことがあるのです。
そこでこの記事では
- 冷凍パイシートの正しい解凍方法
- 冷凍パイシートを扱う時や焼く時の注意点
- 冷凍パイシートをきれいに焼くコツ
などを詳しくご紹介していきます。
冷凍パイシートはポイントさえ押さえておけば、簡単にパイ系のお菓子が作れる優れものなのです♪
冷凍パイシートを使うのが初めてでどのように使えばいいのかよくわからない!とお困りの方はぜひ参考にしてみてくださいね。
冷凍パイシートは解凍せずそのまま焼くとどうなる?
冷凍パイシートは「半解凍」の状態で使うのが一番おすすめの使い方です。
パイシートはできれば解凍してから使った方がいいですが、全解凍まではしない方が良いのです。
なぜ半解凍にした方がいいのかというと解凍しないでパイシートを焼いた場合、解凍しきれなかった部分が解凍される時間も考慮して加熱時間を調整しなければならないので少し手間が増えます。
また加熱時に解凍されていない部分があることにより生焼けの部分が発生したり、うまく膨らまないこともあるのですね。
反対になぜ全解凍はしない方がいいのかというと、パイシートはとても溶けやすいので完全に解凍してしまうと切りにくくなったり、生地の層となっているバターが溶けだしベタベタしてきます。
パイシートが溶けすぎて柔らかくなると、とても扱いにくくなってしまうので成形作業が難しくなってしまうのですね。
パイシートは室温や手の熱だけでもすぐに溶けてしまうので、ある程度解凍されたくらいの少し硬めの状態の方が扱いやすいですよ。
冷凍パイシートの正しい解凍方法
冷凍パイシートの解凍方法は
- 冷蔵庫へ入れて30~60分
- 常温で10~15分
のどちらかの解凍方法が良いですね。
先ほども書いた通りパイシートは手の熱でも溶けてしまうくらいなので、電子レンジなどで解凍する必要はありません^^
パイシートはすべて使う場合はパッケージを開けず、残す場合には使う分と保存する分を分けてラップに包み解凍する分だけ冷凍庫から出して解凍しましょう。
基本的には室温で自然解凍
冷蔵庫でも常温でも溶けすぎなければどちらでも構いませんが、冷凍パイシートのパッケージ裏の説明には「常温で10分前後」を推奨しているものが多いです。
常温解凍だと生地がきれいに膨らみますので、基本的には指示通り常温解凍がおすすめです。
自然解凍の場合はわりとすぐに解凍されるので、こまめに様子をチェックしてくださいね。
冷蔵庫で解凍した方が良い場合
ただし夏場や暖房などで室温が高いと、冷凍庫との温度差が大きくなり解凍時に結露が出ます。
結露が出ると焼き上がりがうまくいかないことがあるので、室温が高い時には冷房などで室温を下げるか、冷蔵庫解凍にしましょう。
冷蔵庫で解凍する場合はパイシートによっては溶けるのに時間がかかることもあります。
30~60分放置してみて解凍できていない場合は、30分ほど延長してみてくださいね。
長くても3時間以内には半解凍までできていると思います。
半解凍の状態の目安
半解凍できているかの目安は、パイシートの真ん中あたりを指で押してみて少し跡が付くくらいです。
生地がぬるめになっている時はかなり解凍されている状態なので、冷たいと感じるくらいで大丈夫ですよ。
パイシートが柔らかすぎたり、バターの油が溶けだしていたら解凍し過ぎとなります。
パイシートが柔らかいと扱いが大変だと思うのでもし解凍し過ぎてしまったと思ったら、もう一度冷蔵庫に入れて冷やし固めてから使えば大丈夫です^^
冷凍パイシートを焼く時の注意点と美味しく焼くコツ
パイシートで何を作るにしても共通する、きれいに、そして美味しく焼き上げるコツは
- 焼く際には水分をなるべく取り除く
- オーブンにより火力や温度などに差があるので、自分が持っているオーブンの癖を知り調整する
- 生地がダレないように焼く前に冷蔵庫で10分程度寝かせて固める
などがあります。
水分が多すぎると上手く焼きあがらない原因になりますので、注意してくださいね。
また焼く際はオーブンの癖によってレシピ通りに加熱しても失敗してしまうこともあるのですね。
そこで失敗を減らすために
- まずオーブンを200℃以上で予熱する
- 焼き色が付くくらいまで加熱(この間はオーブンは開かない)
- 焼き色が付いたら温度を下げ、焦げないようにホイルを被せて時間をかけて火を通す
という順番で加熱していくと良いですよ。
ではここからは冷凍パイシートをきれいに仕上げるコツや、取り扱う時によくある疑問についてご紹介していきますね。
冷凍パイシートをサクサクに仕上げるコツ
冷凍パイシートを焼いたときにサクサクに仕上げる為のコツには以下のようなものがあります。
パイシートをカットする時はなるべく一度でスッと切る
何度も繰り返し切り込んだりしないで、一度でカットした方が、焼いたときの断面がきれいに出ます。
なので、切りやすくするためにもパイシートは半解凍くらいの硬さがおすすめです。
パイシートのバターの層が焼くまでに溶け過ぎないようにする
パイシートは小麦粉とバターが何層にも重ねられています。
その層になっている生地を焼くことによりバターが溶けて蒸発し、そこにできた隙間に空気の層ができてサクサクの食感になったり膨らんだりします。
なのでバターが焼く前に溶けだしてしまうと蒸発するものがなくなり、生地の層がきれいにできないのですね。
なのでこれを防ぐために
- パイシートを加工後は焼く前に一度冷蔵庫に入れて生地を締める
- 暖かい部屋での長時間の作業は避け、生地が溶けてきたらその都度冷蔵庫で冷やすというのを繰り返す
というのをやっておくと良いですよ。
パイシートの層を潰さないように綿棒などで伸ばさない
伸ばして使いたい場合は仕方がないですが、サクサクに仕上げることを優先したい場合は伸ばしてしまうと層が潰れてしまいます。
生地の層がないとうまく焼きあがらなくなってしまうのでご注意くださいね。
あとは先ほど書いたようにオーブンを予熱しまず高温で焼いてから、温度を下げじっくり焼くというように加熱すると水分が飛んでパリッとした食感に仕上がります。
またアップルパイなど水分のある食材を使う際には
- フィリング(パイの上に乗せるフルーツなど)の水気をしっかりと取り除く
- フィリングを乗せる前にパイの中にケーキクラム(スポンジケーキをカットしたもの)やパン粉などを敷くと水分を吸収してくれる
など水分が多くならないように気をつけましょう。
冷凍パイシートをきれいに膨らませるコツ
パイシートをきれいに膨らませるためには次のようなことに気をつけてみてくださいね。
膨らませたいときにはピケはしない
ピケとはフォークなどを使い、パイシートに空気が抜けるための穴を開けることです。
空気が抜けてしまうときれいに膨らまなくなってしまうので、膨らませたい場合には生地に穴は開けないでそのまま焼きましょう。
下火が弱い・温度が低いと膨らみにくい
オーブン内の温度が低かったり、下火が弱かったりするとうまく膨らまない場合があります。
パイシートは生地とオーブンで温度差がある方が焼いたときにきれいに膨らみやすいのですね。
なので予熱はしっかりしてオーブン内を温めましょう。
できれば、天板ごと予熱するとより火が通りやすいですよ。
あとは膨らませたいときにも
- 予熱後高温で一気に焼き膨らませる→温度を下げ中までじっくり火を通す
- フィリングの水分はしっかり取り除く
- 焼く前、パイシートが溶けてきた際には冷蔵庫で固める
を守りましょう。
特にパイシートが溶けて小麦粉とバターの層がくっついてしまうと、膨らませるための空間ができなくなってしまうので面倒でも冷蔵庫で冷やす作業は忘れないでくださいね。
またアップルパイなどを作る場合は、フィリングの重さによって表面に比べて底は膨らまないことがあります。
生焼けでなければ失敗ではありませんのでご安心ください^^
冷凍パイシートを薄く焼く方法
パイシートを膨らませるのとは反対に焼き上がりを薄くしたいときには、
- 「重石」や「オーブンの天板」などを使い生地を押さえる
- ピケしておく(フォークで生地に穴を開けておく)
のどちらかの方法が有効です。
先ほど膨らませたいときには空気を逃さないためにピケはしない方が良いという話をしましたが、今度はその反対ですね。
生地にフォークなどで細かく穴を開けることで、焼く際に空気が抜けて生地が膨らむのを防ぐことができます。
またパイシートは見た目は薄く見えますが、実は何層にもなっているので少し潰しただけでは層が残ってしまい多少は膨らんでしまうのですね。
なのであまり膨らませたくない場合には、生地に重しを乗せて押さえてしまうのが良いでしょう。
焼く前に押さえておいてももちろん大丈夫ですし、焼き始めて膨らんできてしまったと思ったら途中で重石や天板を乗せておくというのも大丈夫です。
重石とは?他のもので代用できる?
重石は主にタルトのような底をしっかり固めておきたいお菓子を作る場合に、生地内に敷いておくことで膨らみを抑えるものです。
↑こんな感じのものです。
フィリングを乗せる前に空焼きする段階で使うので、オーブンに入れても大丈夫な金属のものが多いですね。
しかし生地を押さえられれば良いので、必ずタルトストーンを用意しなければならないわけではありません。
例えば加熱しても大丈夫な素材が良いので、
- 生のお米
- 小豆
- ビー玉やおはじき
などが代用品としておすすめです。
お米はオーブンで焼いた後、多少乾燥してしまいますが水をいつもより増やして炊けば食べられます。(水加減が難しければリゾットやドリアなどにするのがおすすめ!)
小豆は焦げてしまうまでは何度でも使用できます。
またビー玉やおはじきも手軽に入手できますし、重みがあるので生地をしっかりと押さえることができますよ。
ビー玉やおはじきを重石として使う際には、
- しっかり水洗い
- できれば熱湯消毒する
- 自然乾燥させる
などをしてからの方が衛生的ですね。
オーブンの天板がない場合の代用品
ミルフィーユ系の平らなパイなどを作る時には焼くときに生地の上にオーブンの天板を乗せて焼くのが簡単ですが、オーブンによっては天板が付いていないこともありますよね。
少し広範囲に生地を押さえたいけど天板がない場合の代用品は
- 金属製のトレーやバット
- グラタンなどに使う耐熱皿
などがおすすめです。
どちらもオーブン対応、耐熱かどうかをチェックしてから使用してくださいね。
金属製のトレーやバットは熱伝導が良いので、生地に火が通りやすくなるというメリットがあります。
耐熱皿は重さがあるので、生地をしっかりと押さえることがきますよ。
冷凍パイシートが生焼けの場合
焼き時間が足りなかったり、加熱の温度が低かったりすると生焼けになってしまうことがあります。
もし生焼けになってしまった場合は、そのまま食べずに再加熱して完全に火を通すようにしましょう。
生焼けだった場合の対処法
パイシートを解凍せずに焼いたり、フィリングの水分が出てしまったりした際に一部が生焼けのような状態になってしまうことがあります。
生焼けがあったらもう一度オーブンで加熱してみましょう。
今度はしっかり火を通そう!と温度を上げ過ぎてしまうと焦げてしまうので、160~180℃で10~15分焼いて様子を見てくださいね。
焼ききれていなければ時間を延長してみてください。
型に入れたものは型から外し、天板に直接乗せるようにすると底までしっかり火が通りますよ。
生焼けは底などで起こることが多いと思うので、この時点で火が通っている表面などが焦げないように上からホイルを被せて再加熱しましょう。
生焼けを防止するには
生焼けを防止するにはここまで書いてきたような
- まずオーブンを200℃以上で予熱する
- 焼き色が付くくらいまで加熱(この間はオーブンは開かない)
- 焼き色が付いたら温度を下げ、焦げないようにホイルを被せて時間をかけて火を通す
という順番で加熱していくという基本的な焼き方を守りましょう。
予熱は200℃くらいで指示されているレシピが多いのですが、少し高い方がしっかりと焼けます。(大体220~230℃くらい。オーブンにより最適な温度は異なります)
また温度を下げてから、焼き時間をレシピより少し長めにして焼いてみるなどの調整をするのも良いでしょう。
この辺りはオーブンの癖を知りつつ、試行錯誤が必要になります^^;
またこれも生焼けを防止する以外の理由でも大事なことですが
- フィリングなどの水気をしっかり取り除く
- パイシートが溶け過ぎないように焼く直前に冷蔵庫で冷やす
というのも意識してみてくださいね。
アップルパイなどを焼く場合には、
- フィリングを焼く前にパイのみを空焼きする(その後フィリングを乗せ二度焼き)
- 天板に直接生地を乗せて焼く
というのもやっておくと生焼け対策になりますよ。
パイシートは生で食べられる?
パイシートは生の状態で食べると絶対というわけではありませんが、お腹を壊すことがあります。
なので生や生焼けの状態で食べないようにしてくださいね。
生焼けといっても生地自体は加工されているのだから少しくらい大丈夫でしょ。と思ってしまうかもしれません。
しかしパイシートの原料になっている小麦粉に含まれるでんぷんは加熱することで消化しやすく、甘く美味しい状態になります。
なので加熱されていない部分はでんぷんが消化されにくい状態のままなのですね。
消化されにくい状態で体の中に入ると腸で上手く吸収されないので、下痢などが起こる可能性があります。
冷凍パイシートの端をきれいにくっつける方法
アップルパイなどを作る時に生地の端と端をきれいにくっつけるには、
- 溶き卵をくっつけたい部分に塗ってから生地を重ねる
- さらに生地を重ねた部分を上からフォークで押さえていく
という方法で見た目もきれいにくっつけることができますよ。
フォークで押さえるのみだと生地が剥がれてしまうことがありますので、溶き卵を糊のような要領で使うとうまくいきます^^
冷凍パイシートから油がたくさん出てしまった時の対処法
焼きあがった生地を見たら油脂がけっこう出てしまっていることもあります。
パイシートにはバターの層が重なっていてそのバターが溶けだすことで生地が膨らみますので、油が出てしまっても気にしなくても大丈夫です。
もし気になる場合は、焼きあがったらキッチンペーパーの上に少し置いておくと油を吸ってくれますよ。
またフィリングを乗せる場合は、水分を吸収するために生地の上にケーキクラム(ケーキスポンジをカットしたもの)などを敷くと、水分と一緒に油も吸収してくれますので試してみてくださいね。
冷凍パイシートの正しい取り扱い方
冷凍パイシートは誰でも簡単にパイなどのお菓子を作ることができて便利ですが、けっこうデリケートで扱いが難しいところがあります。
焼く時のコツと合わせて、冷凍パイシートの基本的な使い方もご紹介していきますね。
冷凍パイシートを使用する際の注意点
生地が溶ける前に素早く作業をする
冷凍パイシートの焼き方のコツでも書いた通り、パイシートの生地はとても溶けやすいのでなるべく溶ける前に素早く作業を終えるのが理想です。
もし溶け過ぎてしまったら一度冷蔵庫に入れて冷やして固めれば大丈夫ですが、少し時間がかかってしまうので時短できそうなところはしましょう。
- 作業に使う型抜き、ナイフ、綿棒、重石、フィリングなどの道具や食品はすぐ使えるよう手元に用意しておく
- 手の温度でも溶けてしまうのでなるべく触れる回数を減らすため、ラップを敷いた上でパイシートを加工していく(移動させるときに便利です)
などの工夫をしてみてくださいね。
室温はなるべく低めにすると作業しやすい
また部屋の温度もパイシートの溶け具合に影響します。
そのため夏は冷房をつける、冬は暖房を消すなどできる範囲で環境を整えると冷蔵庫で冷やす回数も減り作業しやすくなりますよ。
パイシートを溶かさないようにするために、大理石の上や冷蔵庫で事前に冷やしておいたまな板の上などで作業するとより溶けにくくなります。
パイシートは乾燥しやすいので保存の仕方に注意
パイシートは溶けやすいので、買ってきたらすぐに冷凍庫に入れるのが理想です。
そして溶けやすいだけでなく、乾燥もしやすいのですね。
生地が乾燥するということは、焼くときに蒸発するはずの水分がなくなってしまうということなので、上手く膨らまなくなってしまいます。
なのでパッケージから出すときに、残しておく分がある場合は早めにラップ+ジップロックなどの保存袋に入れるなど乾燥しないように気をつけましょう。
作業がしずらい時は打ち粉をする
少し溶けてベタベタしてしまい作業しずらい…という場合には、打ち粉をして作業するというのもアリです。
パイシートを加工していく際、打ち粉は絶対にしなければならないものではありませんので、ベタベタして綿棒で伸ばしずらい、カットしずらいなどの事情がある時に使うようにしてみてください。
使用する粉は「小麦粉」や「強力粉」で大丈夫です。
打ち粉が多すぎると生地の味や焼き加減に影響することもありますので、少量にしておきましょう。
冷凍パイシートが割れていた時の対処法
冷凍パイシートを使おうと思って開封したら、生地が割れていた!という場合は
- 練り込みパイ生地として使用する
- 割れた状態でそのまま使用する
という方法があります。
練り込みパイ生地として使用する
パイ生地には「折り込みパイ生地」と「練り込みパイ生地」という2種類の生地があります。
この2つの違いは簡単にいうと生地が層になっているか、なっていないかですね。
小麦粉とバターを何層にも重ねていくことで作る生地です。
いくつもの層を作ることで焼いたときにサクサク感を出したり、膨らませて軽めの食感を出すことができます。
アップルパイやミルフィーユ状のお菓子などに使われますよ。
小麦粉で生地を作る際にバターを一緒に混ぜ込んで作る生地です。
生地の中にバターを練り込むので層がありませんから、膨らみが出ません。
さらに練り込みパイ生地には砂糖を加え甘さを出すものと、砂糖を加えないものがあります。
タルトなど土台をしっかりさせたいお菓子に使われますね。
一般的に販売されている冷凍パイシートは「折り込みパイ生地」で、膨らませたりサクサクさせるための生地になります。
なので割れた生地をまとめて練りなおし、練り込みパイ生地として使用することは可能ですが、その場合生地の層がなくなってしまいますので膨らませたり、サクサク感を出すことは難しいと思っておいてくださいね。
もし割れた生地をくっつける場合は、割れた生地をまとめて、練って伸ばして…を繰り返して練り生地にしてみましょう。
やり方
割れた生地をまとめてこねて平らに伸ばす→折り畳む→平らに伸ばす→折り畳む
これを2~3回繰り返して、最後に使いやすい大きさに伸ばして練り込み生地の完成です。
割れたままで使用する
サクサク感を少しでも出したいという時は、割れたままで使うというのも良いでしょう。
- あえて割れた不揃いなまま素焼きして、ジャムやクリームなどを乗せる
- 割れた欠片が大きめなら型抜きで形を作って焼いてみる
- 割れた部分はグラニュー糖などをまぶし焼いてみる
など、ちょっとしたお菓子を作ってみるのも楽しいですよ。
冷凍パイシートは伸ばしてもいい?
冷凍パイシートは基本的には伸ばさずにそのまま使えますが、伸ばして使っても大丈夫です。
伸ばす場合でも力を入れすぎず、全体的に均等な厚みになるように伸ばしていけば多少は膨らみます。
ただし伸ばす場合は生地の層が潰れてしまう場合ももちろんあるので膨らませたり、層の見た目をきれいに出したり、サクサクにしたりというのが難しくなることもありますのでご注意くださいね。
- 市販のパイシートよりも大きめの生地が必要
- あまり膨らませたくない
などの場合は、綿棒で伸ばしてから使用すると良いでしょう。
冷凍パイシートはトースターで焼いてもいい?
トースターでも加熱可能だが、失敗しやすい
冷凍パイシートは基本的にはオーブンでの加熱が推奨されています。
しかしトースターで焼いて成功している人もいますし、トースターで焼くことを前提としたレシピもありますので絶対にできないわけではありません。
ただ焼き加減が難しく、失敗してしまうことも多いのあまりおすすめはしません。
トースターで冷凍パイシートを焼く場合には、
- 表面だけ焦げ、中には火が通っていない
- 膨らまない
などの可能性があります。
商品によっても違いますが、トースターで冷凍パイシートを焼くと「温度調整」ができなかったり、「直火」や「高温」になるのでオーブンのように放っておくとすぐ焦げてしまうことがあります。
なのでトースターで焼く場合は、常に焼き加減を見ている必要があるのですね。
これを踏まえたうえで、トースターで焼く場合のコツをご紹介しますね。
冷凍パイシートをトースターで焼く方法
トースターはすぐに高温になるので、オーブンで焼くときのように予熱はしなくても大丈夫です。
焦げないように最初からホイルを被せて、900~1000Wくらいで5~8分ほど焼いていきます。
※トースターによって温度調整の仕方が異なるので、この通りにやっても失敗してしまうこともあるかもしれません。
トースターを使う場合は、燃えてしまうと困るのでクッキングシートなどは使用せず、被せるのはホイルにしましょう。
生地に焼き色を付けたい場合は中まで火が通ってからホイルを外し、表面を軽く焼くと良いですね。
トースターで焼く場合には、
- 生地を薄めにして火を通しやすくする
- ピケ(フォークで空気が抜ける穴を作る)をしておく
などの工夫もすると失敗が減らせます。
またトースターではパイやミルフィーユなどのような大きめ、厚みがあるものより、小さめのお菓子などを選ぶと失敗が少なく済みますよ。
冷凍パイシートが余ってしまった時の対応
パイシートは匂いを吸収しやすく乾燥しやすいので、匂いが変わったり、焼き上がりに影響するなどデリケートな食品です。
そこで保存する際の注意点や保存期間などを見ていきましょう。
冷凍パイシートが余ったら再冷凍してもいい?
余った冷凍パイシートの再冷凍は絶対にだめとは言いませんが、極力しない方が良いです。
多くの食品は冷凍、解凍を繰り返すと品質が落ちますが、パイシートも熱や乾燥などに弱く何度も冷凍することで
- 空気中の水蒸気でべちゃべちゃになる
- バターの溶け具合がバラバラになり焼きムラが出る
- 乾燥して焼いたときに膨らまない
など扱いが難しくなったり、食感なども落ちます。
なので冷凍パイシートが何枚か入っていて一度にすべて使わない場合は、使う分だけを解凍し、残りはすぐにラップに包み、さらに密閉袋に入れなるべく早めに冷凍庫へ戻しましょう。
すぐに冷凍保存しておけば、約3週間ほど保存が可能です。
使わない分まですべて解凍してしまった!という場合は、冷蔵保存なら1~2日以内に使い切りましょう。
またはパイシートを焼いてしまって冷凍するのであれば、1ヶ月くらいは保存が可能ですよ。
※アップルパイなど果物などが使われている場合は、保存期間は少し短めだと考えておきましょう。
もしパイシートの表面に黒い点々が出ていたら、それはカビなのですぐに捨てるようにしてくださいね。
冷凍パイシートの切れ端が出たらどうする?
パイシートを型抜きなどでくりぬいて使った場合、切れ端の生地が出てしまうので捨てるのはもったいないですよね。
生地の切れ端が出てしまった場合には、生地が割れていた場合と同じく、まとめて伸ばして練り込み生地として使うことができます。
また練り込みにしなくても、そのままアレンジして焼いてみるのもおすすめです^^
たとえば
- 切れ端をくるくる巻いてグラニュー糖をまぶして焼く
- チョコに生地を巻いて焼く
- ウインナーに生地を巻いて焼く
- ミルフィーユ状に生地とクリームなどを重ねて焼く
などちょっとしたおやつを作ってみるというのはいかがでしょうか。
何かに巻いても、そのまま焼いても良いので、切れ端まで捨てずに使うことができますよ。
冷凍パイシートをそのまま焼くのは大丈夫かまとめ
冷凍パイシートはそのまま焼かずに「半解凍」で使うのが良いですよ。
解凍しないでパイシートを焼いた場合、
- 解凍しきれなかった部分が解凍される時間も考慮して加熱時間を調整しなければならない
- 加熱時に解凍されていない部分があることにより生焼けの部分が発生したり、うまく膨らまないこともある
などの理由から解凍しないで使うのはあまりおすすめできません。
また全解凍してしまうと
- 生地が溶けて切りにくくなる
- 生地の層となっているバターが溶けだしベタベタしてくる
などの理由から作業がしにくくなってしまいます。
このように焼き上がり、作業のしやすさの点から半解凍にするのがおすすめなのです^^
冷凍パイシートの解凍方法は基本的には「自然解凍で10~15分」で良いでしょう。
場合によっては「冷蔵庫で30~60分」の解凍でも大丈夫です。
パイシートは手の熱や室温で溶けやすいので、作業中溶けてきてベタベタした場合にはこまめに冷蔵庫に戻し、生地を冷やし固めながら作業すると良いですね。
焼く直前にも冷蔵庫で10分程度冷やしてから焼くと、きれいに焼きあがるのでぜひ試してみてください。
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